営業「虎の巻66条」(基礎編5)
5、「必要なければ、遠慮無くお断り下さい」と、初めに言う。
人の心理を考えた時に、目の前に、営業マンが来て、商品の説明を、あなただけにする場合、聞くからには、買わなければいけないのではと考える。
でも、今、買う予定も無い。そうなると、何かマイナス面を見つけて断らなければと言う心理になる。あなたも、そんな経験が有るのではないでしょうか?知人から、紹介されて、興味が無いと断ったけど、とりあえず、話だけ聞いてあげてと言われ、営業マンの話を聞く。どうやって、断ろうかと頭の中で考えながら話を聞いている状態です。
そんな相手に、あなたが、どんなに商品の事を熱く語ろうが、断る体制で聞いている方のガードは崩し辛い。だから、初めに「必要なければ、遠慮無くお断り下さい」と言う事で、相手のガードを取る訳です。
断っても良いんだと思えば、気楽に、心を開いて聞いてくれます。そうすれば、あなたが勧める商品の良さが、聞いているお客様の心に、ス~と入って行きます。
営業と言うのは、相手の心理を掴む事が重要です。相手が、どんな状態で、あなたの話を聞いているのか?ここを把握して、話す事が重要になる訳です。
極端な話ですが、お客様の身内が危篤状態だったら、あなたが、どんなに良い商品を勧めても、買うような心理状態じゃないし、あなたの話を前向きに聞く状態じゃないですよね。早く、話が終わらないかな・・・そんな気持ちで聞く訳です。
だから、まずは、相手が、素直に聞いてくれる状態にする事が重要になる訳です。その為に「必要なければ、遠慮無くお断り下さい」と初めに言って下さい。
私の母は、保険会社の営業を何十年もやってました。その関係で、私は、母から、大量の保険に入っていた。自分で仕事をやっていると、色々な方から保険の営業マンを紹介されます。その都度、私は、母がやってるので他人から入りつもりはないと言い断るのですが、話だけ聞いてあげて下さいと言われ、色んな営業マンに会った。
会った営業マンの大半は、自分の所の商品を熱心に説明して、お付合いで1本、お願いしますと言う。でも、私は、紹介者にも言ったように他から入るつもりはないと言いお断りする。
ところが、「お母様が、保険会社とお聞きしていますので、私が、勧める商品が必要なければ、遠慮無くお断り下さい、宜しければ、今お入りの保険の証券をお見せ頂けないでしょうか?昔から入りっぱなしだと、國武様の取って損な保険も有りますから、宜しければアドバイスさせて頂きます。」こう言ってきた営業マンが居る。
私にしてみれば、母に言われるままに保険に入り、何の保険かも分かっていない。有難い申し出に、素直に応じ、結果、私は、彼から、保険に入る事にした。別に、私の保険を調べてくれたから申し訳ないのでと言う気持からではない。私の事を考えてくれる彼の言葉、行動が、私の心を動かしただけです。
それは、初めに「必要なければ、遠慮無くお断り下さい」と言う言葉が有ったから、ガードを外して聞けた結果です。
それとは、逆に、とにかく、会長には、絶対に役に立ちますから・・・、絶対に喜んで頂けますから・・・、絶対に買って良かったと思いますから・・・等々、しつこい位に言う営業マンが居た。買う気にはならなかった。何故なら、何度か会っていたり、バッチリ、コミュニケーションが取れている仲間から言われるなら、買うだろうが、初めて会って、私の事も何も知らないのに、いかにも、売れれば良いって営業です。
同じ言うにしても、相手との関係、相手の心理状態を考えた上で、言うタイミングは重要になります。
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2014年7月10日 | コメント/トラックバック(0) |
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営業「虎の巻66条」(基礎編4)
4、お客様より、先に待ち合わせ場所に行く。
ある時、会社に、お客様が、Aさん居ますか?と訪ねて来た。A社員は外出中で、お約束ですか?と尋ねると、はい、16時に、と言う。時計を見ると、16時7,8分前でした。中で待って頂いていると、16時ギリギリで、A社員が帰ってきた。
そして、お客様に対し、一言。
16時って言いましたよね?
はい。
確かに、16時の約束で、16時には戻ってきた訳ですが、初めの一言はそうじゃないでしょ、お待たせして、申し訳御座いません、と言うべきですよね。これは、来社して来たお客様が、営業側だから、A社員が何かを売る側じゃないので、営業の待ち合わせとしては、別に問題が有る訳じゃ御座いません。
実は、私も同じような経験を、営業される側でありました。私が、ある営業マンと、外で待ち合わせをした時の事です。
待ち合わせ場所に、15分位前に付き、待っていると、5分位前に、営業マンが来た。そして、一言。あれ、11時ですよね?
先程の、当社のA社員と同じ事を言う営業マン。11時の約束だから、営業マンは遅れてないし、私が、勝手に早く来ただけですから、何の問題も何のですが、私は、彼が勧める商品に興味は持てなかった。
何故かと言うと、先程のA社員もそうだが、相手の事より、自分の保身が先ですよね、自分は、遅れて居ませんよと確認する。そんな営業マンと付合っても、私が商品を購入して困ったとしても、こちらの見方になるより、自分の保身が先になる事がみえみえですから、付合いたいと思わない。
時間に遅れてなくても、お客様を待たせたなら、お待たせして申し訳御座いません、と、まず言うべきです。そうすれば、私は、いやいや私が早く着き過ぎただけだからと言う訳です。
営業を行う上で、お客様を待たせると、優位に立ち辛いと思いませんか?待ち合わせ場所に、後から行って、この商品が、素晴らしいから、是非~って、強く言っても、何か説得力が無い気がしませんか?
だから、お客様より、先に待ち合わせ場所に行って下さい。
喫茶店で待ち合わせをしたなら、1時間位前に行けば、まず、お客様より、遅い事はない。え~1時間も・・・30分でも良いですよ、でも、今は、パソコンを持ち歩けば、何処でも仕事が出来る。会社で、ギリギリまで仕事をするより、喫茶店に先にって仕事をしていれば、間違え無くお客様より、先に待ち合わせ場所に居る事が出来、交渉を優位に勧め易い訳です。
あなたが、1時間前から、待っている所に、お客様が、20分前に来たとする。あなたを見つけたお客様は、驚くはずです。もう、来てたんですか?○○様をお待たせしては、申し訳ないと思いまして・・・と言えば、私の為に、そんな早くから来てくれているなんて・・・とお客様は、申し訳なく思うでしょう、この時点で、お客様は、間違え無くあなたのファンになり、好感を持つはずです。
1時間位、早く着くように行けば、仮に電車が遅れたとしても、まず、待ち合わせ時間に遅れる事はない。早く着いた分、待ち合わせたお客様への営業準備も完璧に出来る。お客様の会社や、家への訪問でも、近所で待機し、仕事や準備を完璧にし、約束の5分前に訪問する事が出来る。
昔、私の部下で、約束時間の1時間位前に、お客様宅に着くように会社を出る者が居た。彼は、常にトップクラスの成績を上げていた。彼は、前職でも営業で、全国規模の会社に居て、全国でベスト3になった事も有ると言ってた。当時、私共は、電話営業を行っていたので、彼は、電話か嫌いだから、早く会社を出ようとしていると思い、何度も、まだ早いだろう、もっと電話営業を行ってから出ろ、と言ったものだった。今思えば、彼のこの行動が、良い成績に繋がっていた訳です。
あなたも今日から、お客様との約束の1時間前に到着するように会社を出て下さい。会社から、早過ぎると言われるなら、待ち合わせ時間を早めに会社に報告するなど、早く出る方法を考えて下さい。これは、サボる為じゃない、契約を取る為ですから、会社に対し、何の後ろめたさを感じる必要は御座いません。
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2014年7月8日 | コメント/トラックバック(0) |
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営業「虎の巻66条」(基礎編3)
3、商品の長所・短所を知り尽くす
色々な営業マンとお会いして、ある事に気付いた。それは、自分が売っている商品の事を、余りにも、知らない営業マンが、多いって事です。
あなたは、どうですか?自分が販売している商品の事を、知り尽くしていますか?どの営業マンにも負けない位、あなた自身が売っている商品の事を知り尽くしていますか?長所は、何と、何で、短所は、何と、明確に答える事が出来ますか?商品を見なくても、口だけで、相手がイメージ出来るくらい、説明出来ますか?
商品の長所・短所を知り尽くして下さい。
ここで、勘違いしないで下さい。長所・短所を知り尽くすのは、説明する為では御座いません。ついつい、商品の知識が身に付くと、お客様に、話したくなる。自分の知識の凄さを自慢したくなる。でも、お客様は、そんなあなたの知識自慢の聞くほど、暇じゃない。と言うより、説明し過ぎると、聞いている方は、退屈になる。
では、何の為に、商品の事を知り尽くすのか?
あなたが、進めようとする商品が、相手にとって必要なのか、判断する為です。長所、短所を知り尽くす事で、売りたい商品の短所が、お客様にとって何の問題も無く、長所が、お客様に利益をもたらすなら、強く勧める事が出来る。だから、説明の為ではなく、喜んでくれる商品なのか、判断する為です。
以前、不動産の営業マンとして、採用したが、成績が一向に伸びない社員が居た。あるお客様が、引越をする為に来店し、理由は、現在のお部屋が、日当たりゼロで、ジメジメするからだと言う。そのお客様に対し、彼は、築年数は経過しているが、駅から近く、家賃の割に、無茶苦茶、広い物件を進めた。
物件見学に行き、彼は、一人で会社に戻って来た。お客様は?現地で、別れました。物件は、広かったのですが、日当たりがゼロだったので、ちょっと残念そうでしたと言う。初めから、お客様は、広さは求めていない、日当たりを重視してた。
彼が、お客様が、何を求めているのか?把握できていたら、こんな結果にはならなかっただろう。この時のお客様は、二度と当社に、戻って来ることは無かった。
商品の長所・短所を把握し、お客様が何を求めているのかを把握出来れば、あとは、説明じゃない、この商品なら、間違えなくお客様に喜んで頂けると確信が持てるので、力強く勧める事が出来る。
逆に、常にトップを争う営業マンがいた。一人は、明らかに、コミュニケーションを取るのが上手い。もう一人は、口数も少なく、真面目で、お世辞にも、コミュニケーションを取るのが上手いとは言えない。じゃあ何故、彼は、常にトップを争うような成績を上げていたのか?
彼は、人一倍、商圏の物件を見に行き、物件を知り尽くしていた。だから、お客様の条件を聞き、だったら、この物件がベストですとシンプルに進める事が出来た。強く勧める営業スタイルじゃないので、もうひと押しすれば、決まると感じる場面が何度か有り、何故、もうひと押ししないと言った事が有る。
すると彼は、大丈夫です、必ず申込みに来ますからと言う。実際に、申込せずに帰ったお客様も、結構な確率で、戻ってきて、彼が薦めた物件を申込んだ。彼は、その物件が、そのお客様にベストで、それ以上、お客様の条件に合う物件が無い事を知っていた訳です。
勿論、それ以上の物件が無い訳だから、強く薦める営業スタイルが出来れば、もっと成績は伸びただろう。
この章では、商品の長所・短所を知り尽くすのは、説明の為ではなく、自信を持って進める為だと言う事を理解して下さい。
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2014年6月29日 | コメント/トラックバック(0) |
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