営業「虎の巻66条」(基礎編11)

11、お客様の一言一句聞き逃さない。

これは、真面目で、熱心で有れば、有るだけ、失敗しがちな営業です。

ついつい、説明に熱中し、お客様の言葉が、耳に入らず、無視した形になり、お客様を不快にさせ、契約に至らないケースです。非常に勿体無い話です。

営業の入門編を思い出して下さい。聞く、褒める、質問する、商品の説明より、お客様の話を聞く事が、重要って事です。物を売るのは、あなたが、売っている商品の前に、あなた自身を売る。あなた自身に、お客様が、好意を持ってくれる事から始まる訳です。コミュニケーションを取るって事です。

自分の言葉を無視する人に、好意を持ちますか?そんな人と、コミュニケーションが取れますか?NOですよね。

だから、これは、絶対に犯してはいけない過ちです。

以前、家電量販店に、ビデオデッキを買いに行った。1番組録画中に、裏番組も録画出来る、裏録機能と言うのがあるビデオデッキが有ると聞き、ビデオ売り場で、最新デッキを見ていた。

そこに、ビデオデッキ売り場担当のスタッフが来て、その最新機種の、特徴を説明し始めた。とにかく、画質の凄さを語る。でも、私は、そんな事には興味ない、説明途中に、裏録は出来るの?と尋ねたのだが、画質の違いの写真を手に、一生懸命、説明を続ける。私の質問など、耳に入っていないのか?私の質問には答える事無く、説明を続ける。

私は、そのスタッフの説明を最後まで聞く事無く、その場を後にしました。勿論、買わずに帰りました。

別の時、ビデオカメラを、家電量販店に買いに行った。その時は、ビデオカメラに、プロジェクター機能が有り、撮影した映像を、その場で、壁に映せる機種が有ると聞き買いに行った。同じように、最新機種を見ていると、スタッフが、その機種の素晴らしさを説明しようとした。

私が、プロジェクター付きって有るの?と尋ねると、それでしたら、こちらですと言い、その機種の前に案内してくれました。何種類か有る機械の違いを尋ねても、そのスタッフは、別のメーカーの方のようで、良く分からない様子でしたが、私の言葉に耳を傾け、誠実に答えようとする姿勢は感じました。

何度か、詳しいものを連れて来ますと言ってくれたが、そのメーカーのスタッフは、別のお客様を接客中だった。だから、その彼は、分からないながらも、私の言葉に耳を傾け、誠実に回答してくれたので、結局、詳しい説明の無いまま、購入しました。

商品の説明より、お客様の言葉を聞き逃さない事の方が、数十倍、数百倍、重要だと言う事です。

数名で、会話していても、そうじゃないですか?

Aさんが、何かの話をする。その話に、あなたが、私も同じような経験がありますと突っ込む。ところが、それに反応する事無く、Aさんは、自分の話を永遠と続ける、その時、あなたは、Aさんに良い感情を持ちますか?持ちませんよね。

でも、Aさんは悪気が有る訳じゃない、自分の話に集中して、あなたの言葉が耳に入っていない訳です。もし、あなたが、割り込んで来た時、どんな経験ですか?聞いてくれると、Aさんに対し、好感を持てるはずです。

だから、あなたがAさんの立場で、話をしている時でも、周りの言葉に耳を傾けながら、話をする癖を、日頃から、付けておくべきです。普段、他人の話を聞いていないと、営業に行った時も、お客様の言葉を聞き逃してしまいます。

説明よりも、お客様の一言一句を聞き逃さない事の方が、重要だと言う事です。説明に余裕を持つ為にも、普段から、商品の説明をする練習が大切です。

 

 

 

 

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営業「虎の巻66条」(基礎編10)

10、お客様のメリット、使った将来を想像させる。

商品を売るのではなく、この商品を使う事で、お客様の将来が、どうなるのかを語ると、お客様の心に響きます。

以前、ある健康補助食品を販売している方を紹介され、話を聞いた事があります。その時は、買わなかった。

何故かと言うと、その営業マンは、その補助食品の、成分、大学教授の研究発表、国が発表したデータ、雑誌の記事の内容と、商品の素晴らしさを、私に伝えてくれたのだが、何か、心には響かなかった。挙句の果てに、付合いで、1ケースだけ買って下さいと言い出した。何としても売りたいと言う気持ちだけが、伝わって来たプレゼンだった。

それから、数カ月後、同じ商品を売っている別の営業マンと、会う機会が有った。その時、その商品を買った。

その彼とは、商品の説明を聞く為に会ったのではなく、たまたま、知人と食事をした時に、同席していて、健康の話で盛り上がった事が、キッカケでした。

私は、健康には凄く関心が有り、食事しながら、その彼が、健康で長生きする為には、○○を食べると良いとか、ボケない為には、○○が良いとか話してくれる事に、耳をダンボのようにして聞いていた。そして、彼は、私に、こう言った。

國武さん、この商品を飲むと、ボケる事無く、80歳過ぎまで、健康で、ゴルフも出来、生涯現役で、人生をエンジョイ出来ますよ、長生きしても、寝たきりで、好きな食事も取れず、流動食じゃ、生きている喜びが無いと思いませんか?

この言葉に、私は、80歳を超えて、寝たきりの自分と、健康で、元気に人生をエンジョイしている自分を想像した。飲まなきゃと感じて、彼に、今、買えるの?と、自然に口から出た。

私が、不動産屋に入り新人営業マンだったころ、常にトップのベテラン営業マンがいました。その方の営業トークは、正に、マンションを購入した時の将来を想像させるもので、誰にも真似出来ませんでした。

電話営業で、奥様、目をつぶって下さい、目の前に、真っ白なデコレーションケーキのようなお城を想像して下さい。その建物が、奥様のものです。奥様は、女王様です。城の主です、素晴らしいでしょ、それも、自己資金を使わずに、持つ事が・・・・・こんな、電話営業をしていた。

横で聞いていても、欲しくなるトークで、今から、30年位前の話なのに、いまだに、私の脳裏に刻み込まれている程、印象に残るトークです。この先輩、顔色一つ変える事無く、真顔で、こんなトークをお客様の前でもするそうです。だから、毎月、コンスタントにマンションの契約を取って、常に、トップでした。

ここまでのトークを真似しろとは言いませんが、お客様が、その商品を購入する事で、将来どうなるのか?素晴らしい未来を想像させる事が出来れば、間違えなく、契約は取れます。

売れない営業マンは、商品の良さを、必死になって説明するが、売れる営業マンは、お客様の将来を想像させる。

 

 

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営業「虎の巻66条」(基礎編9)

9、自社の商品に、こだわらず、他社の商品を進める。

自分の商品を売りたいから勧めている訳じゃない、お客様に必要だからと印象付ける為に、一度、引く営業も有効です。

私は、無茶苦茶、健康オタクで、体に良いと言われる物や健康食品は、結構食べてきました。最近では、水素を毎日飲んでいます。

健康食品を販売している方と、ある交流会で隣に座った。その方が、熱心に、健康について語る。その時、私は、他社の、その種類を飲んでいると言ったら、全否定された。自社の商品の素晴らしさ、他社の商品の欠点をしきりに語り、飲むなら、私の売ってる商品じゃないとダメだと言わんばかりの勢いで話す。

とても、不快だった。勿論、彼の会社の商品が優れているのかもしれない、でも、私が飲んでいるのは、無意味とまで言われて、気分に良いものではない。明確な数値で見れるデータでも有れば良いが、それでも、いきなり否定されれば気持ちの良いものではない。と言うより、自分の商品を売りたいだけじゃないの?と感じる。

先日も、酔っぱらっている知人に、連れの女性が、無理矢理、健康食品を一箱を渡し、今飲んでるのはダメだから、明日から、これを飲みなさい、お金は、明日、振り込んでよと言って帰って行った。酔っぱらってる彼に、どうするの?と聞いたら、飲みませんよ、返しますよ、と言った。

他を否定して、自分の商品をごり押ししても、お客様の心は、動かないって事です。

以前、自然食品を販売している店のオーナーと食事をした時に、ちょうど私が、酵素にハマっている頃で、酵素の話で盛り上がった。当然、その方の店でも、酵素の販売は行っているようで、酵素は、素晴らしいですと言われ、話が盛り上がった。その方は、私が飲んでいるのとは違うメーカーの酵素を販売していたが、私が飲んでいるのも素晴らしいと、褒めて、続ける事が重要ですと言う。

結果、私は、せっかくだから、その方が売っている酵素を飲んで見る事にした。正に、自分が売っている商品を勧める訳ではなく、酵素自体が体に良い事を言い、他社の商品でも、何でも継続して使う事を勧め、自分の所の商品の特徴を説明され、私は、購入を決めた訳です。

ある時、パーティーに行くネクタイを探しに、よく行くデパートの中にあるブランドショップに行った。顔なじみの店長に、その店にあるネクタイではなく、スカーフを勧められたのだが、今一シックリ来ない。すると、店長は、名札を外し、私を、別の階の、別のショップに連れて行き、そこの商品を勧めた。その結果、彼が居る店に戻り、初めに勧められたスカーフを買った。

これも同じ事です。元々、ネクタイを買いに行ったので、スカーフは、違和感が有った。でも、店長は、パーティーなら、ネクタイより、スカーフの方が、華やかで良いから、スカーフをする事が、私にベストと思ってくれて勧めた。でも、初めてのスカーフで、何となく気取った感じが好きになれなかった。だったらと、別の店にある、ちょっと地味な感じのスカーフならと勧めてくれた訳です。

この店長は、自分の店のネクタイを売る事より、私がパーティーに参加するには、ネクタイより、スカーフをする事が、ベストと考えた訳です。決して、自分の店のスカーフを売りたい訳ではない、何処の商品でも良いから、スカーフをして行くべきと勧めてくれた結果、その店のスカーフを買う事になった。

自分の商品を売りたいから勧めている訳じゃない、お客様に必要だからと印象付ける為に、一度、引く営業の形です。ただ、この店長も、先程の自然食品のオーナーもそんな計算をして、営業した訳じゃない。目の前のお客様に、喜んで頂きたい、その気持ちが、このような行動になり、結果として、彼らが販売している商品を購入した訳です。

販売テクニックは重要ですが、その前に、お客様に喜んで頂きたい心が有る事が前提になります。

 

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